誠晃プリンティングラボラトリー設立にあたり
誠晃印刷もおかげ様で創立50周年を迎えます。ここまで当社は、印刷業の聖地とも言われた東京・飯田橋の地で事業を行ってきました。印刷は文化のバロメータといわれていた時代、周囲には大小さまざまな出版社と印刷工場があり、当社は大手の下請けとして、印刷精度の出しやすい小型の機械を主力に、品質の厳しいものを主体に活動をしていました。もちろんラボはありませんでしたが、研究研鑽を重ねて、機械の性能があまりよくない時代に安定していい製品をお届けすべく努力しておりました。
時は流れて、令和の時代。印刷業のありようは大きく変わってしまいました。情報伝達手段としての印刷の役割は激減し、インターネット関連に置き換わっています。あれほど当社の近隣にあった印刷製本工場はなくなり、業界の雄である大手の印刷会社ですら、もう自分たちは印刷の会社ではないという時代です。
印刷物大量生産の時代は終わりを告げつつありますが、代わりに高付加価値の印刷物の要望は多くなってきています。これからの時代の印刷物の存在価値の一つはここにあると、我々は考えています。
しかし、価値は多様化しており、すべての方に常にご満足いただける付加価値というのはおそらくありません。様々な付加価値のシーズを多数蓄積し、求められるたびに、それらをオリジナルで組み合わせ、場合によっては新たに作りながらご提供させていただかないといけないのです。
当社の長い歴史で積み上げた技術のシーズは、かなりのものがございます。それらを整理し、発展し、新たなものを付け加えて、世の中に提供していく。これからの印刷物の可能性を追求する活動の核とするべく、誠晃プリンティングラボラトリーを立ち上げることにいたしました。プロとしての研究研鑽とならんで、だれにでも親しみやすいような情報発信も行っていきます。これからの誠晃印刷と誠晃プリンティングラボラトリーに、どうぞご注目ください。
2024年2月1日
島田 和幸