オンデマンド印刷

オンデマンド印刷機は、近年品質は比較的良くなったとはいえ、絵柄によってはアラが目立ってしまったり、色調が安定しなかったり、見当性が甘かったりします。品質重視のスタンスをとる当社としてはそういった点がネックになり、ずっと本格導入は控えてきました。
しかし、複雑なバリアブル(可変)を求められるチケット関連業務の引受先としての連携の話があり、とうとう当社にもオンデマンド印刷機の導入が決定しました。複雑な処理が必要とされるハードルの高い印刷物という意味では私たちのスタンスにも矛盾しないこと、このタイプの機械が入ることでお客様に新たな価値をご提供できるようになるということが決め手でした。印刷物をシステム処理する点で秀でるフォーム印刷の株式会社旭堂さまとの連携事業です。

新しい付加価値を

もちろん、この機械で品質をあまり問わない小ロットの印刷物を生産する、ということもできますが、それではお客様に提供できる価値が小さすぎるうえ、「安かろう悪かろう」の品物をお届けすることにもなりかねません。やはり、当社がご提供するからには、イベントチケットのようなオンデマンド印刷の品質面の問題が生じず、新たな価値を付加できるようなものであるべきです。
当社で印刷したDMに、さらにオンデマンドで宛名のバリアブル印刷を施し、お客様の手を煩わせることなく確実に発送するところまでワンストップでお請けできれば、お客様の負荷とコストと時間の削減につながることになります。それはつまり、当社の高品質の印刷物に、利便性という価値をさらに付加することといえます。

バリアブルで広がる印刷物の可能性

オンデマンド機は、印刷物の利用価値の増大に寄与できるものです。美術的な品質ではなく、利便性という品質。印刷物のあらたな価値をご提供できる可能性が大きく広がります。ネット方面への拡充に対しても、バリアブル印刷による二次元コードなどを使えば、紙からスマホを経由してネットにつなげるということが簡単になります。もちろん、バリアブルで1件1件違う二次元コードで処理すれば、アクセスした1人1人の動向などをつかむことも、人によって画面に表示する内容を変えることも可能になります。
また、名刺の名前をオンデマンド機で刷込むことは現実的です。名刺の台紙を前もって印刷しておき、文字だけをオーダーに応じてオンデマンド処理する。オンデマンド処理の部分は印刷品質云々の部分ではないので、できるだけ簡素な流れを実現して、利便性とコストの両立を図る。こんなことを実現して、当社の良さをより多くの企業様に感じていただき、そこから本当の印刷物の良さを再認識いただくきっかけにしたい。ペーパーレス化が進む現代の、一印刷会社の願いです。