【プロセスカラーと特色の違い・選び方ガイド】
プロセスカラーと特色は、印刷に使うインキの方式の違いを指します。それぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが印刷物の品質やコストに大きく関わってきます。
■ プロセスカラーとは? CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色を掛け合わせて、さまざまな色を表現する方法です。オフセット印刷では最も一般的な方式で、写真やグラデーションなど多彩な表現が可能です。ただし、色の再現には限界があり、鮮やかな色や特定の企業カラーなどは忠実に再現できないこともあります。
■ 特色とは? DICやPANTONEといった規格に基づいた、あらかじめ調合された特定の色インキを指します。金や銀、蛍光色、パステル調の色などプロセスカラーでは再現が難しい色を正確に表現することができます。ロゴマークやブランドカラーなど、「この色でなければならない」場面に最適です。
■ 使い分けのポイント
・コスト面 プロセスカラーは4色印刷で一度に済むため、通常は安価です。特色を使うとその分インキを追加するためコストが上がります。
・色再現 こだわりの色を再現したい場合は特色がおすすめ。特に印象に残るデザインや企業広告では重要です。
・印刷部数 大量印刷であれば特色のコストパフォーマンスも悪くありませんが、少部数ではプロセスカラーが向いています。
■ 入稿時の注意
特色を使用する場合は、IllustratorのスウォッチでDICなどを選んで正しく指定しましょう。また、入稿先に「特色あり」と明記することも重要です。
用途や目的、予算に応じて賢く選ぶことが、デザインの完成度と効率の良さにつながります。
