【網点とは?モアレを防ぐための画像処理テクニック】
印刷物をルーペで覗いたことがありますか?細かいドットが整然と並んでいるのが見えるはずです。これが「網点(あみてん)」です。フルカラー印刷ではCMYKの4色を掛け合わせて色を表現しますが、それぞれを均一な濃度で塗るのではなく、大小の網点で濃淡を表現しています。網点の集合がグラデーションや中間色を生み出しているのです。
しかし、この網点同士が干渉してしまうと「モアレ」という縞模様が発生します。特に問題になりやすいのが、同じような周期や角度の模様(例:細かいチェック柄の服や布地の写真)を印刷するときです。印刷側の網点と画像内のパターンが干渉し、意図しない縞模様が出てしまいます。
印刷におけるモアレを防ぐためには、いくつかの対策が存在します。まず、元画像の解像度を適切に設定することです。通常は350dpi前後が推奨されます。また、画像をラスタライズした上でぼかす、もしくはPhotoshopで「ぼかし(ガウス)」や「ノイズ追加」などを使ってモアレを目立たなくする方法もあります。
もう一つの防止策として重要なのが、製版時のスクリーン角度設定です。CMYKそれぞれの色は、異なる角度で網点が配置されており、一般的にはC=15°、M=75°、Y=0°、K=45°などのルールが存在します。この工夫により、各色の網点が干渉しにくくなっています。
なお、IllustratorやInDesignで作成したオブジェクトに対しても、Photoshopで処理した画像を張り込む際にはモアレが起こる可能性がありますので、画像選定・加工には細心の注意を払いましょう。
