実績[書籍/雑誌]
誠晃印刷で印刷した制作物の一例をご紹介いたします。
篠田桃紅展 孤高の美術家(ギャラリー サンカイビ様)
2021年に107歳で亡くなった篠田桃紅は、墨を使った新たな表現方法で、世界的に知られる孤高の美術家です。墨象という独自の表現を追い求め、ダイナミズムと厳しさを持つ実力の世界に身を投じ、ニューヨークをはじめ世界を舞台に活躍しました。日本の古典から発展させた彼女の所や墨象作品には、圧倒的な存在感と凛とした気品に溢れます。
世界から評価されるそんな篠田氏ですが、2025年2月15日(土)~23日(日)の会期で、福岡三越にて展覧会が開かれます。彼女のアトリエに残されていた秘蔵の原画や書、屏風など150点規模の作品展示に加え、桃紅が最後まで愛用していた手描きの着物、墨、硯、筆、落款、器などを特別展示されます。そちらで販売もされる絵画カタログを作成させていただきました。
今回のカタログでは、その中の50点ほどを掲載しています。かなりギリギリの日程の中、篠田氏の作品の特徴である墨の雰囲気や金属感といったところを、プロセス4色のみで再現すべく、打ち合わせをしながら修正していきました。並行して、いただいたレイアウトイメージから実際の印刷のレイアウトデータを作成する業務も行っています。
限られた時間の中で、スピードと品質の両立が求められた仕事でした。特に篠田氏の絵は、墨の深さはもちろん、金や銀の地に描いた作品も多く、特殊印刷は使わずプロセス4色でその雰囲気を表現するのは技術と経験がないとかなり難しいです。しかし、当社の豊富な美術印刷の画像処理の経験により、バラ校→折り出しの2回の確認のみで的確に色修正を進めています。表紙は雁垂れ表紙を採用し、前と後ろに扉としてファンシー紙を挟み込んで雰囲気を出しています。
