トライアル事例

ラボ vol.6 中綴じの針金をもっとカラフルに!

中綴じに使われる針金は、雑誌など厚手のものには銅の針金が使われたりしますが、通常はシルバーで、色付きの針金というと今まではビニール被膜のついたカラー針金くらいになってしまいました。実際に何度かやらせていただきましたが、ビニール被膜が針金の端のところで破れる形となって地の針金のシルバーなどがみえることとなり、これが我々的にはどうしても見た目上きれいに収まったとは言えなかったのです。

当社のラボメンバーは、針金に何とかきれいなカラーバリエーションを持たせることができないかと考え、金属加工の工場や、メッキ工場などを探しました。針金自体は世の中に多数存在しますが、製本に使うものとなると、機械によって太さや金属の硬さが制限され、なかなか一筋縄ではいきません。また、製本の針金というと折り曲げてホチキスとして紙をとめますので、折り曲げが加わったときの色のはげなども考慮する必要があります。また、色付きの針金は特殊ゆえに小ロットになりがちで、注文生産的におこなったとしても予算的に見合う程度でなければなりません。

検証していくと単純に塗料を針金に塗るのでは密着性が弱く耐久性に難がでます。とうとう電気の力で塗料を金属表面に定着させる「電着塗装」でアクリル樹脂を付着させる技術に出会いました。メッキと同等の密着性を持ち、これなら耐久性の面もクリアできそうですし、しかもご相談に乗ってくれた工場は小ロット対応も独自のノウハウでかなり得意とのこと。色も、もともとは顔料を使ったアクリル樹脂によるものなので、様々な色を混ぜ合わせて作ることもできます。当社で使っている針金に塗装することも可能そうなので、製本材料としての基本はクリアできるでしょう。

実地検証はこれからですが、ビニール被膜の針金よりは完成度高くできるでしょう。ぜひ、お仕事で色付き針金を試してみたい方、お気軽にお問い合わせください。新しいものを世に送り出す作業を一緒にしてみませんか?赤い紙に赤い針金とか、かなりいい感じではまりますよ。

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