印刷立会はなぜ有効なのか?
印刷立会いでは何ができるのでしょうか?印刷に関してよくわからない人間が、わざわざ行く意味があるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
まず印刷立会では、なんといっても最終的な製品となるものを、直に確認できるという安心感があります。印刷は、校了紙に基づいて色なども合わせこむことを基本としておりますが、印刷機自体でかなり大きく色の調整をすることもできるので、逆に言えばそれだけぶれる恐れがあるということです。最終データは校正刷りに対して製版作業にて色調整をしたり、デザイナーさんのほうで調整したりしていただいて作られていますが、それは本当にベストの色になっているでしょうか?
当社の色校正は、各色既定の標準濃度にて印刷されています。しかし、例えばM(マゼンタ=紅)のベタのところをもう少し濃くしたい、と感じられた場合は、標準濃度よりも濃い目に出してあげるほうがご希望に近づくこともあります。インキ自体の濃度の問題は、印刷機でないと対処できない部分です。
これは単純化した極端な事例ですが、印刷立会いで全体のバランスを見ながら、カタログの商品の印象を実物にさらに近づける、というようなことはよくあります。製版までできちんと作りこんでおくことはもちろんなのですが、最後の一押し二押しを実際の印刷機でさらに詰める、ということが、突き詰めた色づくりでは重要になります。校了紙が最高の状態ではない以上、また、紙にインキを載せるという最終的にはアナログの作業である以上、最後の印刷でもなにかできることが残っていることが多いのです。
もちろん、それ以外でも、特色の色の確認をされたいとか、修正がきちんと直っているか最終的に確認をしたいとか、印刷のポイントが複雑すぎて責了紙には反映しきれないとか、様々な理由があるようです。いずれにしても、よいものを作り出したいというお客様の想いを受け止めさせていただくことは重要と、私たちは考えております。
印刷工場によっては、印刷立合いといっても、待合室で待たされ、刷り出しを届けてもらって確認をする、というところもあります。もちろん誠晃印刷でも、セキュリティ面から難しいこともあるのですが、通常は印刷立会いは機械のところまでお越しいただき、何も隠さず、見ていただくというのを基本としております。それが、お客様の意図がダイレクトに伝わり、その調整での変化も確認していただきやすいからです。印刷立会いは、私たちとお客様が一体となって、よい印刷物を作り出す場なのです。
難しいことはさておき、印刷立会はお客様と我々誠晃印刷のメンバーが、一つの印刷物をいいものにしようという想いを同じくして、取り組むことができる場です。その想いをもって印刷立会に来ていただけば、きっといい結果が得られると思います。都心の神楽坂の工場ですので、簡単に来ていただけます。どうぞ、お気軽にご相談ください。