【今はやりのハイブリッドUV印刷って?】
オフセット印刷では、昔は乾燥方法で大きく分けて「通常(油性)印刷機」「UV印刷機」「輪転(熱乾燥)印刷機」の3種類がありました。輪転印刷機はトイレットペーパーのお化けのような巻取紙を使う機械で、高速で回し、熱風乾燥で乾燥させる機構です。チラシや新聞など大量ロットのものに多く使われました。
他二つはシート状の紙を印刷するのが一般的(枚葉機)ですが、UV印刷機はUV光でインキを硬化させるタイプ、油性印刷機はインキが酸素と反応することで時間をかけて乾燥していくタイプ(酸化重合型)でした。枚葉機では、この油性印刷機が圧倒的に多かったため、普通に印刷機といえば油性の印刷機を指していました。UV印刷機は速乾でメリットはあったのですが、強力なUVランプが多数必要なため、機械も大きく高価でした。また、強力なUVランプはオゾンを発生させるため臭気の問題があり、ダクトも必要だったので、都市型の印刷会社では導入できませんでした。
そんな中、2000年代前半にハイブリッドUVという機構が発表されます。インキを改良することで乾燥のために必要なUV光量を大きく抑え、速乾を実現しながら機械の簡易化を実現しました。さらにランプのUV波長をオゾン発生域から外すことで、オゾン発生を抑えることに成功したのです。臭気の問題もなく、機械もコンパクトになったことで、ハイブリッドUV機は急速に普及していきました。
次に、油性とハイブリットUVの特徴をまとめて比較してみましょう。
【油性インキの特徴】
油性インキは、長らくオフセット印刷の主流として使われてきたタイプです。その名の通り、最近では主成分に植物油を使用しており、酸化重合と浸透乾燥という二段階のプロセスで乾燥します。紙の繊維にインキ中の油分が浸透しつつ、インキ膜自体が空気中の酸素と反応して固化する仕組みです。
○ メリット
・機械、インキともコストが安価
・時間をかけて乾燥するため、印面表面が滑らかになり、印面グロスが出やすい。
・鮮やかなインキも作りやすい
× デメリット
・乾燥に時間がかかる(数時間〜1日以上)
・乾燥不良からくる裏移りやブロッキングのリスクが高い
・パウダーが必要なため、ブランケットや紙にパウダーの塊が付着して、ピンホールなどのトラブルを誘発しやすい
・時間をかけて乾燥する分、ドライダウンが大きく出る
・環境面で揮発性有機化合物(VOC)の問題がある
【UVインキの特徴】
UVインキは、紫外線(UV)を照射することで瞬時に硬化するインキです。インキに含まれる「光開始剤」が紫外線に反応し、樹脂成分が一気に重合して硬化します。
○ メリット
・乾燥が瞬時で、裏移りやブロッキングがほぼない
・トラブルの原因となりがちなパウダーが不要
・非吸収性の用紙(PETフィルム、金属箔、合成紙など)にも印刷可能
・瞬間乾燥のためドライダウンの発生が少ない
・次工程にすぐに引き渡せるので、効率が良い
・インキに揮発性有機化合物(VOC)を含まない
× デメリット
・印刷機自体が油性機と比べると高価
・インキやUVランプのコストが高い
・インキに開始剤が含まれるため、特別なインキを作る際に邪魔になることがある
・瞬間乾燥のため印面グロスが出にくい
最近は、UVランプをLEDに替えたLED-UV機も普及してきています。省エネ型でランプも長持ちするのでよいのですが、以前はLEDでのUV光量が足りず不安定でした。しかし、その課題もほぼ解消されているようです。
ハイブリッドUVやLED-UVの今後の懸念は、開始剤がそれなりに高度な化学品のため、環境上の規定などが世界的にここまで結構変わっており、コストを含めたインキのレギュレーションが確定しきれない点でしょう。
印刷全体の流れって? →「オフセット印刷の流れ」




