【印刷のAMとかFMって、なんですか?】

 実はラジオのように、オフセット印刷の世界でもAMやFMがあります。網点の配置や形状を表す、AMスクリーン、FMスクリーンがそれにあたります。

意味は、実はラジオと同じで、
AM=Amplitude Modulation(振幅変調)=網点の大きさを変動させる
FM=Frequency Modulation(周波数変調)=網点の密度や数を変動させる
ということです。

 従来の網点はAMでして、FMスクリーンは扱う網点が小さいこともあり、印刷機などの精度が高まってきて初めて実用的になる技術でした。現実的に出てきたのは1990年代になってからで、CTPの普及する2000年代以降に現実的な技術となってきたといえるでしょう。

 理論的には、FMスクリーンはモアレが発生せず、AMよりもディテールや鮮やかな色調が実現可能といわれますが、平網やグラデーションではそのランダムな点の配置ゆえ、どうしても滑らかさに欠けてしまう欠点がありました。特に黎明期のFMスクリーンは、再現する点の大きさが小さいためドットゲインなどの影響も受けやすく安定しないうえ、そういったデメリットがすぐ出てきてしまい、なかなかメリットを感じづらかったようです。

 2000年代以降、CTPの普及とともに版の精度が上がり、扱いやすくなったFMスクリーンですが、さらに改良型のハイブリッドスクリーンといわれるものが登場します。いろいろなものがありますが、おおむねFMスクリーンの弱点であった安定性のなさと滑らかさに欠ける点を補完し、長所であるディテール再現や鮮やかな色調の実現を狙ったものとなっています。

 誠晃印刷でも、印刷するものによって、ハイブリッドスクリーンを多く採用していますし、場合によってはAMスクリーンとハイブリッドスクリーンを組み合わせることもしています。
ちなみに、カラープリンターや大半のオンデマンド印刷機は、トナーの粒子やインクジェットの点の密度を変えることで絵柄を形成しますので、FMスクリーンタイプの印刷ということもできます。

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