実績［書籍／雑誌］

鮮烈な色彩空間を特徴とした新進気鋭のアーティスト、玉山拓郎氏のGASBOOKです。色彩空間はRGB（光の三原色）で表現されていて、印刷はCMYK（色の三原色＋黒）での表現が基本になりますが、ここで再現領域の違いが大きな問題となります。CMYKでの表現は、RGBに比べて表現できる範囲が小さく、特に鮮やかな色を不得手とするのです。特に今回の玉山氏の作品は、鮮やかな色彩を一つの特徴とされますので、印刷でここの部分をどのように解決するかは、本質的な大きな問題となります。
今回は、特にそういった傾向の強い作品部分に高演色インキを採用し、さらに蛍光ピンクでの補色を行って版を作成いたしました。高演色インキは、CMYのもともとのインキをより鮮やかな色にすることで、全体での表現色域を1割ほど広げたものです。全体の1割ですと大したことないように感じますが、印象的な作品はその広がった部分に多くの色が存在していたりするので、作品の性質によりますが通常インキと比べると圧倒的な差を生むことが可能です。さらに、蛍光ピンクを補色に加えることで、より通常ではありえないような色を出すことができました。
こういった技は、うまく使わないとバランスを崩したり、せっかくやったのに効果が得られなかったりします。もちろん校正刷りを入れて、確認しながら進行しておりますが、経験豊かな誠晃印刷だからスムーズといえるでしょう。

GASBOOK販売ページ　→　http://www.hellogasshop.com/products/detail.php?product_id=1209