【PP加工の種類と特性 ― 仕上がりの質と表現力を高める表面加工の基礎】

印刷物の風合いに変化を加える手法の一つにPP加工などがあります。大きく分けるとグロスとマットがありますが、見た目の特別感を付加するほかに一時的な防水性や裂け強度を補完する、折った際の割れ対策といった役割を狙うこともあります。書籍のカバーや表紙、パンフレット、パッケージなど、触感からもアピールできるため、手にとられる頻度の高い印刷物ではよく使われます。

グロスPP:色とビジュアルの存在感を強める光沢加工
PP加工のなかでももっともよく見るのがグロスPPです。光沢のある表面が光を反射し、写真やグラフィックが鮮やかに立ち上がって見えるため、視覚的なインパクトが必要な印刷物に向いています。コート紙などにかけることが多いですが、ファンシー紙や微塗工紙にかけると、微妙に紙地の影響が表面にも表れ、コート紙とは違う面白い効果も狙えます。

マットPP:落ち着きと品位を与える
マットPPは表面の反射を抑えたしっとりとした質感が特徴で、落ち着いたトーンのデザインや、品格を求める企業ツール、書籍などによく使われます。グロスPPとは違う触れた瞬間の“しっとり感”は魅力的ですが、一方でグロスPPに比べると表面に傷や手の脂などによる汚れが付きやすいデメリットがあります。特にそれらは下地が黒や紺といった濃色の場合に目立ちますので、デザイン上注意を払うとともに、表面強度を強化したマットPPを選ぶことで傷の問題はかなり改善できます。

特殊なPP:ベルベットPPやホログラムPP
ベルベットPPはマット調でかつ指先が吸い付くような独特のしっとり感が印象的です。触れた瞬間の高級感と質感の良さが伝わりますので、見た目と相まって強い存在感を放ちます。
ホログラムPPは、透明なホログラムのパターンがPPに付加されているものです。前面にわたって同一パターンが入ることになります。最近では、類似した仕上がりになるLCコートなどが使われることも多いです。

PP加工と似た加工
LCコートやトランスタバック:紙に塗った樹脂をフィルムに圧着させてUV硬化させて剥がしたり、樹脂が塗られたフィルムを圧着してフィルム部分だけを剥がしてパターンや光沢などを紙に付加する方法。いずれもフィルムは紙の上に残っていないので、強度の補完にはなりませんが、PPよりは少し安価に加工することができます。

PP後の後加工
PPフィルムは、接着剤やインキなどの密着性が弱く、箔押しやシルクスクリーン印刷などをこの上に施そうとするとうまくいかないことがあります。その場合には、特別に密着性を高める加工(コロナ処理)を施した素材を指定して使う必要があります。コロナ処理は、紫外線を使って表面に目に見えない微細な傷をつけるようなイメージの加工ですが、時間が経過するとその効果が弱まったりすることもあるため、注意が必要です。

PP加工の種類は多様ですが、それぞれが持つ特長は明確で、デザインの意図に沿って選ぶことで印刷物の質は大きく変わります。鮮やかさ、落ち着き、手触り、輝き、素材感――どこに価値を置くかによってPPは“保護”から“表現”へと役割を広げてくれます。多くの実績からこうした加工特性を把握している弊社営業と、制作の段階で事前に相談していただけますと、印刷物の完成度はさらに高まり、メッセージの伝わり方もより豊かになります。

後加工は他にも →「インパクトを与える特殊加工印刷」

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