【箔押し加工の種類と特性 ― 光沢・質感・立体感で価値を高める加飾技術】
箔押し加工は、印刷物の表面に金属箔などを押すことによって印刷物に強い存在感を与える加飾技術です。印刷だけでは得られない光の反射や質感の差異を付与し、印象深くできるため、特に本の表紙、書籍カバー、パッケージ、名刺といった「手に取られる機会が多い制作物」やポスターなど「インパクト重視の印刷物」によく使われます。
一般的に箔押し加工と言われるのは、金型を用いて熱と圧力をかけて箔押しするホットスタンプです。金属光沢を持つメタリック箔、印刷とは違う濃度感と押された感の出る顔料箔、光の角度で表情が変わるホログラム箔、微妙なアクセントをつけられるツヤ箔や透明ホロ箔、怪しい印象のレインボー箔などもあります。メタリック箔は、金銀を中心に幅広いカラー展開があり、金銀にはマット調の箔もあります。タイトルやロゴを際立たせたいときに使うことが多く、もっともよく見る箔でしょう。顔料箔は印刷では出ない濃度感と表情が特徴で、控えめながらおしゃれなデザインで真価を発揮することが多い気がします。黒い上質系の紙に黒箔などは、その質感の違いからかなり重厚感を表現できます。黒紙にオフセットのホワイト印刷と白箔を組み合わせるようなパターンは、紙の黒、オフセットの濃度のないホワイト、押し出しの強い箔のホワイトと、3段階の違いをつけることができ、デザイン次第でかなり印象深い仕上がりになります。
ホログラム箔やレインボー箔は銀箔よりもさらに押し出しが強くなるので、面積が大きいと少々下品に感じられることもありそうですが、細めの罫や文字などで使ってやるといいバランスになることも多いでしょうか。この辺りはデザイナーさんの腕の見せ所となってきます。
また、変わり種として、紙自体がホットスタンプの熱と圧力に反応するものもあります。熱と圧によって、「パチカ」は白い紙が押されたところは半透明に変わる紙、「OKフロート」は押されたところの色が変わる紙です。いわゆる空押しで行われることが多いですが、特に厚い紙を使う場合は作業スピードが上がらないなどの理由でスケジュールに注意が必要なこともあり得ます。
箔押しの設計では、版の形状と紙との相性が重要になります。細い抜罫や小さな文字は箔がきれいに抜けず、つぶれの原因にもなります。表面が滑らで硬いコート紙では比較的細かい表現まで対応できますが、やわらかいラフ紙や凹凸のある特殊紙では、箔の抜けが悪く、よりディテールが出づらかったりとか、つぶれたりとかの状況が起こりがちとなります。箔が抜けないのを見越して、細かいパターンで型を作り、パターン付きの箔押しに仕上げる技もあります。広いベタ面積を箔で押したいなどの場合は、圧力が分散しがちになるため均一に転写することが難しく、抜けの発生につながる可能性があります。そういった問題をある程度解消するために、同じ箔でも硬い柔らかいがあったりするので、前もって紙の状態と箔の絵柄をもって現場の技術者と相談することは重要です。
従来の熱圧着による箔押しに加え、近年はコールドフォイルの活用も広がっています。コールドフォイルはオフセット印刷機の工程内オプションで接着剤を印刷し、その上に箔を転写する方式です。広い面積でも比較的きれいに箔を貼ることができますが、オフセット印刷の応用で接着剤を薄く塗布するので、その接着剤を吸ってしまうような用紙だとつかえず、基本はコート紙、もしくはコートカード紙などが原紙として使われます。ゆえに紙の風合いを生かしたデザインは難しいですが、転写した箔の上からカラー印刷を重ねれば、メタリック調のカラーバリエーションを自在に作ることができます。
他にも特殊加工が →「インパクトを与える特殊加工印刷」




